サンデー健康応援講座
感染性胃腸炎対策~おう吐物の処理方法~
感染管理 認定看護師 三村 由佳(みむら ゆか)
ノロウイルスは乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で感染し、12~48時間の潜伏期間を経て嘔吐や下痢、腹痛などの急性胃腸炎を引き起こします。 嘔吐が突然起きるのが特徴で、トイレに行く間もなく室内や身の周りを汚してしまうことがあります。 感染を起こさない・拡げないために、適切な予防策を行いましょう。
<感染対策の基本は手洗い>
ノロウイルスは、
①汚染された食物を食べることで感染する経口感染、
②手指や環境を介して感染する接触感染、
③嘔吐物や糞便などが飛散し、吸い込むことで感染する飛沫・空気感染により感染します。
特にノロウイルスは環境に長期間生存できるため、知らないうちに手指がノロウイルスで汚染されている可能性があります。
帰宅時や調理・食事の前、トイレの後など、こまめに手を洗いましょう。
<環境が汚染してしまったら>
トイレの便座や手すり、ドアノブなど人が良く触れる場所は、ノロウイルスで汚染している可能性があります。
次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)で拭き10分程度放置した後、水拭きを行いましょう。
掃除の際は、換気をしっかり行うことが大切です。嘔吐物や糞便が付着した場合、速やかに拭き取りましょう。
<衣類やカーペットの消毒は?>
洗剤を入れた水の中で静かに洗い、85℃以上1分間の加熱処理を行うか、次亜塩素酸ナトリウム(200ppm)で30分間浸しすすぎましょう。
※次亜塩素酸ナトリウムは漂白作用があるため色物には注意が必要です。
冬はウイルス性感染症が流行しやすい季節ですが、適切な対策を行うことで感染を防ぐことができます。感染から身を守り、この冬も健康に過ごしましょう。