サンデー健康応援講座
災害医療について
副院長 救命救急センター長 佐藤 穣(さとう ゆたか)
大震災、津波、集中豪雨、火山の噴火。日本列島は昔から様々な自然災害に見舞われ、その都度多くの犠牲者が出ました。
阪神淡路大震災の反省をもとに、災害時に直ちに現場にかけつけて救護にあたる医療班としてDMAT(災害派遣医療チーム)が全国に配置され、当センターからもDMATが東日本大震災や熊本地震の際に現場に出動しました。
さらに国立病院機構ではDMATと同時に出動して情報収集にあたり避難所での医療を開始する精鋭部隊としての「初動医療班」、さらにその後継続的に避難者の支援をする「医療班」が編成されており、熊本地震の際には当センターの「初動医療班」が一番に現場入りしました。
熊本地震での初動医療班の救護活動
災害医療ではこれら医療班のみならず、自衛隊、消防、警察、自治体職員、さらにはボランティアなど多数の方々が協力して被災地を支援しています。
今後発災が予想される「南海トラフ地震」では、太平洋側を中心に甚大な被害が予想されています。
一方で国の中央防災会議では「地震予知を前提としない現実的な防災対策」に方向性を変えました。
山口県では被害は軽度と予想されていますが、県民自らの地震対策、被災地への応援、さらに山口県への避難者支援に県民全員参加であたることが必要です。
DMAT・・・災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム