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臨床評価指標



臨床評価指標とは、医療の質を具体的な数値として示したものです。これにより医療の質を客観的に評価する
ことが可能となるため、医療の質(評価)指標ともいわれています。
当センターは、国立病院機構「医療の質の評価・公表等推進事業」における臨床評価指標 の測定結果をもとに、質向上に向けた取り組みを継続的かつ積極的に行っています。 今後さらに必要な項目を加えながら、患者や
市民の皆様が安心して医療を受けられるよう医療の質の向上と改善に取り組んでまいります。


更新日:令和4年8月05日  



病院運営


病院運営


入院  2021年度
1日平均入院患者数 279.0人
病床利用率 73.6%
平均在院日数 15.9日   一般病床のみ
外来  2021年度
1日平均外来患者数 608.5人
紹介率 68.0%
逆紹介率 59.8%
手術  2021年度
手術件数 2,537件
全身麻酔件数 1,509件
救急医療  2021年度
救急車受入件数 3,095件
その他  2021年度
クリニカルパス適応率 46.4%
2週間以内の
退院サマリー完成率
98.9%



診療機能


がん(乳がん)


乳がん(ステージI)患者に対する乳房温存手術の実施率
表1
定義 乳房温存手術を施行した患者数 ×100(%)
乳がん(ステージⅠ)の退院患者数 ※UICCに基づく
解説 乳がんの治療法として、乳房温存術は乳房切除術との比較で生存率に差はなく、 適応があれば乳房温存術が推奨されています。


脳卒中


急性脳梗塞患者に対する入院2日以内の頭部CTもしくはMRIの実施率
表2
定義 入院当日または翌日にCT撮影あるいはMRI撮影が施行された患者数 ×100(%)
急性脳梗塞の発症3日以内に入院し、退院した患者数
解説 脳卒中は、脳の血管が血栓で詰まったり(脳梗塞)、破裂して出血したり(脳出血)して、脳組織が壊死する病気です。 脳卒中のタイプに応じて、治療方法は異なります。CT撮影やMRI撮影を実施することで、脳出血と脳梗塞を見分けることができ、 また脳組織の壊死の状態等についても把握することができます。適切な治療に向け、CT撮影あるいはMRI撮影を早急に行うことが求められます。


急性脳梗塞患者に対する早期リハビリテーション開始率
表3
定義 入院してから4日以内にリハビリテーションが開始された患者数 ×100(%)
急性脳梗塞の発症3日以内に入院し、入院中にリハビリテーションが実施された退院患者数
解説 脳梗塞は、脳の血管が細くなったり、血管に血栓が詰まることで、脳に酸素や栄養が送られなくなり、その 部位の脳組織が壊死あるいは壊死に近い状態に陥ってしまう病気です。脳梗塞により、運動障害、言語障害、 感覚障害等の後遺症が残ることがあります。発症後に寝たきりの期間が長くなると、体力の低下や認知機 能の低下等が起こるため、早期からのリハビリテーションが重要になります。そして、後遺症に対する機能 回復や日常生活の自立、早期の社会復帰を目指したリハビリテーションへとつなげていくことが求められます。


呼吸器系


誤嚥性肺炎患者に対する喉頭ファイバースコピーあるいは嚥下造影検査の実施率
表4
定義 喉頭ファイバースコピー、嚥下造影検査、あるいは内視鏡下嚥下機能検査を施行した患者数 ×100(%)
誤嚥性肺炎患者数(実患者数)
解説 誤嚥性肺炎の多くは、嚥下障害によって引き起こされます。患者の嚥下機能を適切に評価することで、治療 や、摂食・嚥下訓練、リハビリテーション、音声訓練を含めた摂食・嚥下障害に対する適切なアプローチに つなげることができます。


市中肺炎(重症除く)患者に対する広域スペクトル抗菌薬の未処方率
表5
定義 広域スペクトルの抗菌薬が処方されていない患者数 ×100(%)
市中肺炎の退院患者数
解説 市中肺炎は院内肺炎とは異なり、一般には社会生活を営む健康人に発生する肺炎で、入院治療では注射抗 菌薬の投与が中心となります。抗菌薬の選択にあたっては、原因微生物の同定と薬剤感受性検査が重要で すが、検査結果の判定には数日を要します。ガイドラインでは、細菌性肺炎の入院治療の場合、ペニシリン 系薬、セフェム系薬の使用が薦められ、細菌性肺炎か非定型肺炎かが明らかでない場合は、高用量ペニシ リン系薬+マクロライド系またはテトラサイクリン系薬の併用が薦められています。抗菌薬の使用にあたっ ては、原因菌を明らかにし、適切な抗菌薬を選択することが重要です。広域スペクトルの抗菌薬を不適切に 使用することは、耐性菌出現を招きます。


筋骨格系


股・膝関節の人工関節置換術施行患者に対する早期リハビリテーション(4日以内)の実施率
表6
定義 手術当日から数えて4日以内にリハビリテーションが行われた患者数 ×100(%)
股・膝関節の人工関節全置換術を施行した退院患者数
解説 人工関節全置換術後の過度な安静は、廃用症候群や深部静脈血栓症を引き起こす原因となります。こうし た術後合併症を防ぎながら、早期に日常生活動作を再獲得するため、術後はできるだけ早くリハビリテー ションを開始することが重要です。


抗菌薬(筋骨格系)


大腿骨近位部骨折手術患者における抗菌薬3日以内中止率
表7
定義 手術当日から数えて4日目に、抗菌薬を処方していない患者数 ×100(%)
大腿骨近位部骨折で手術を施行した退院患者数
解説 周術期の予防的抗菌薬投与は、術後感染症を予防するための有効な手段です。しかし、長期にわたる投与 は多剤耐性菌の出現を引き起こします。「術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン」では、 術式別に創分類、推奨抗菌薬、術後投与期間が示されています。ここからの指標は、同ガイドラインに則り、 術式別に術後抗菌薬の投与期間が適切だったかを見ています。


全体領域


75歳以上入院患者の退院時処方における向精神薬が3種類以上の処方率
表8
定義 向精神薬が3種類以上だった患者数 ×100(%)
75歳以上の退院患者のうち、退院時処方として向精神薬を処方した患者数
解説 我が国における抗精神病薬の多剤併用は、諸外国と比較して高いことが指摘されています。抗精神病薬は、 ある一定量を超えると、治療効果は変わらない一方で副作用のリスクは増えるとされていることから、抗精 神病薬を含む向精神薬の処方について、診療報酬上で一定の制限が設けられるなどの施策がとられていま す。特に、薬物の有害作用が表れやすい(ハイリスク群)75歳以上の高齢者に対しては、「高齢者に対して特 に慎重な投与を要する薬物のリスト」(日本老年医学会)の中で、慎重に投与するよう注意が促されていま す。高齢者に対する向精神薬の投与については、一般医療と精神科医療が連携し、適切に行われることが 重要です。


手術ありの患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率(リスクレベルが高リスク)
表9
定義 肺血栓塞栓症の予防対策を実施した患者数 ×100(%)
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「高」の手術を施行した退院患者数
解説 肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部にできた血栓(深部静脈血栓)が剥がれて血流によって運ばれ、肺動脈を閉塞させてし まう疾患です。太い血管が閉塞してしまうような重篤な場合には、肺の血流が途絶し、死に至ることもあります。近年、深 部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の危険因子が明らかになっており、危険レベルに応じた予防対策を行うことが推奨されてい ます。予防方法には、弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置(足底部や大腿部にカフを装着し、空気により圧迫) の使用、抗凝固療法があります。


手術ありの患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率(リスクレベルが中リスク)
表10
定義 肺血栓塞栓症の予防対策を実施した患者数 ×100(%)
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」の手術を施行した退院患者数
解説 肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部にできた血栓(深部静脈血栓)が剥がれて血流によって運ばれ、肺動脈を閉塞させてし まう疾患です。太い血管が閉塞してしまうような重篤な場合には、肺の血流が途絶し、死に至ることもあります。近年、深 部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の危険因子が明らかになっており、危険レベルに応じた予防対策を行うことが推奨されてい ます。予防方法には、弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置(足底部や大腿部にカフを装着し、空気により圧迫) の使用、抗凝固療法があります。


手術ありの患者の肺血栓塞栓症の発生率(リスクレベルが高リスク)
表11
定義 入院期間中に肺血栓塞栓症を発症した患者数 ×100(%)
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「高」の手術を施行した退院患者数
解説 深部静脈血栓症は症状が乏しく、発見が困難な疾患です。また、肺血栓塞栓症は、呼吸困難や胸痛、動機等 といった他の疾患でも現れる症状を呈するため、鑑別診断が困難であるといわれています。このため、原因 不明とされたり、解剖して初めて肺血栓塞栓症が発見されることがあります。 また、適切に予防対策を実施しても、肺血栓症の発生を未然に防ぐことができない場合もあります。


手術ありの患者の肺血栓塞栓症の発生率(リスクレベルが中リスク)
表12
定義 入院期間中に肺血栓塞栓症を発症した患者数 ×100(%)
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」の手術を施行した退院患者数
解説 深部静脈血栓症は症状が乏しく、発見が困難な疾患です。また、肺血栓塞栓症は、呼吸困難や胸痛、動機等 といった他の疾患でも現れる症状を呈するため、鑑別診断が困難であるといわれています。このため、原因 不明とされたり、解剖して初めて肺血栓塞栓症が発見されることがあります。 また、適切に予防対策を実施しても、肺血栓症の発生を未然に防ぐことができない場合もあります。


広域スペクトル抗菌薬投与患者に対する細菌培養実施率
表13
定義 広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数 ×100(%)
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数
解説 近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある 腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界 的な問題となっています。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の 適切な検体採取と培養検査が必要です。


チーム医療


バンコマイシン投与患者の血中濃度測定率
表14
定義 バンコマイシンの血中濃度測定を実施した患者数 ×100(%)
バンコマイシンを処方した患者数
解説 バンコマイシンは、治療薬物モニタリング(TDM: Therapeutic drug monitoring) を必要とする抗菌薬 の1つで、定期的な血中濃度測定による投与量の精密な管理が必要とされます。測定結果に基づく適正な投 与計画により、腎障害や肝障害等の合併症や耐性菌の発生等を防ぐだけでなく、最適な効果発現が可能と なります。医師や薬剤師らによるチーム医療を推進し、適切にTDMを遂行することが重要です。


医療安全


中心静脈注射用カテーテル挿入によるドレナージが必要な気胸・血胸の発生率
表15
定義 CVC挿入当日または翌日に気胸・血胸を発生しドレナージを実施した患者数 ×100(%)
中心静脈注射用カテーテル(CVC)を挿入した退院患者数
解説 中心静脈カテーテルは、中心静脈圧の測定や、薬物投与、栄養管理など多様な目的に使用されていますが、 誤った適応や未熟な手技による挿入は、患者の安全を損ね本来の目的を達しないばかりか、重篤な結果を 招くことにつながります。手技の安全性と危険性を十分に認識した上で、適切に行われる必要があります。







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