研修医レポート
総合診療部臨床研修医 大角 隆次郎
長崎壱岐病院の研修を終えて
この度私は長崎県壱岐島にある長崎壱岐病院での地域医療研修を行いました。
研修は整形外科でを回らせていただき、手術と外来見学を行いました。
その他に院外研修として離島診療所や老人保健施設の見学、訪問診療や家屋調査の同行を行いました。
整形外科の研修では、膝関節注射や大腿骨転子部骨折の執刀など、数多くの手技をさせていただくことができました。
また、高速船での島外緊急搬送という貴重な経験もすることができました。
離島診療においては、島外への移動手段が限られる中での診療となるため、島内で完結できる症例か否かを定刻までに判断する能力が一番求められると実感しました。
院外研修として同行した家屋調査では、退院前に患者さんが元の生活に戻れるか、手すりの設置等、
介護保険を利用したサービスの必要性について理学療法士やケアマネージャーの方々が自宅訪問を行っておりました。
私が訪問させていただいたお宅はコンテナを利用した住居となっており、盲目の患者さんが一人で住むにはかなりの難易度となっておりました。
このような状況で退院した場合、不自由な生活となるのは明白であり、多職種協議の結果、退院日を自宅環境が整うまで延長する方針となりました。
離島診療では人材資源も限られるため、医療と介護の連携がより重要となると改めて感じる良い機会となりました。
研修外では、壱岐島の観光名所や海の幸を堪能することができました。
他の研修病院から同様に研修に来ていた同期にも恵まれ、実りある地域医療研修を行うことができました。
この研修に携わっていただいた皆様、ありがとうございました。
まつなが医院の研修を終えて
この度私は下関市長府にあるまつなが医院での地域医療研修を行いました。研修内容は主に外来見学と内視鏡検査、訪問診療でした。
訪問診療では、がんの終末期の方から脊髄損傷により若年ではあるが体が動かせない方まで幅広い背景を持つ方々の自宅を訪問させていただきました。
日々の生活状況の確認や、患者自身が困っていることに対して解決策を考えるという患者個々に応じた医療の提供を目の当たりにして、
訪問診療は患者さんの生活環境やご家族との関わり方、他の社会福祉事業の介入状況等、外来診療だけではわからないことまで把握できると実感しました。
また、まつなが医院は認知症の普及や予防活動として、高齢世代だけでなく若年世代から学ぶ機会を作る取り組みをされており、一例として小学校にて講演する機会を設けております。
実際に、まつなが医院の施設内ではオレンジカフェを週2回と高頻度で開催されており、近所の中学校から学生が来られて一緒に活動されておりました。
高齢者医療に若年世代を取り込むことは、高齢者の割合がピークとなるといわれる2040年問題への良い対策となるため、広く普及することを期待します。
この度の地域医療研修では、慢性期の患者のトータルケアや生活習慣病を主とする疾病予防、若年世代の健康づくりなど身近な方たちへの健康管理を学ぶことができました。
研修に関わってくださった関係者の皆様、ありがとうございました。
辛苦を超えた喜びの1年
桜前線の待ち遠しい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
関門医療センターでの勤務を始めて1年が経とうとしており、同時に私の医師としてのキャリアも1年を迎えようとしております。
昨年の4月に右も左もわからない状態で研修医として入職してから学びの絶えない日々を過ごしておりましたら、
気が付いたら1年が経っていたという印象です。
1年目の研修医として一番苦労したことは、日々の当直業務です。
5月は2年目の先生と一緒に当直をさせていただき困ったことがあれば相談することができましたが、
6月以降は一人で初療から上級医へのコンサルトまで行うことが強いられます。
コンサルトの内容がまとまっておらず、上級医に正しい情報を提示できず診療がスムーズに行えなかったこともありました。
そのような状況でも冷静に対処していただいた上級医の先生方には大変感謝しております。
このような経験もあり、現在はスムーズなコンサルトを行うことができた際は、ほんの少しではありますが達成感を感じております。
4月からは新たに1年目の研修医の先生方が後輩として入職されます。
1年前の自分を見つめなおす気持ちで一緒に成長できるよう日々努力していきたいと思います。