研修医レポート
総合診療部臨床研修医 中村 桃子
壱岐での1か月を終えて
私は2年最初の外病院研修に壱岐病院を選びました。
理由はたくさんありますが第一に離島がどういうものか見てみたかったからです。
研修内容は院内で整形外科を回らせていただき、院外研修では大島の三島診療所、光武先生との訪問診療、退院前の家屋調査をさせていただきました。
まず外来で最初に感じたことは圧倒的に高齢者が多く、骨粗鬆症・変形性関節症など慢性的な疾患がほとんどであり、山口県と似たものを感じました。
したがって鎮痛目的に注射を行う人も多く、私自身もご指導を頂きながら膝の関節内注射を十数症例させていただきましたが、なかなか難しくほとんどが失敗に終わりました。
また薬剤選択、特に骨粗鬆症の治療では作用機序などの違いはありますがかなり種類が多く、その人にあった治療が必要だと学び、適切な知識と患者さんとの十分なコミュニケ―ションが必要だと感じました。
また、保存的治療を行う際に今後の方針を考える機会にもつながりました。中には治療が困難なため福岡の病院に紹介した方など、離島で治療を完了できない難しさを感じました。
手術では骨折、TKA症例が多かったですが、その他にも多くの症例を経験できました。
また全症例で神経ブロックを行っており、エコー下でのブロックを多く見学できたので、エコー下で神経を見つける訓練が出来ました。
壱岐での研修で感じたことは、離島のため移動手段が限られており、資源や人員に制限があるため、必要な治療が迅速に行えないことがある。
高齢者が多いため病院に通えない人や身近な家族がいない人などにも治療が施されるように地域と密接に関わりを持ち、多職種との連携が大事である。
そして高齢者が多い分、整形外科疾患では骨粗鬆症による骨折や変形性関節症などの慢性疾患に対して早期治療介入が重要であり、
そのためには定期的な外来受診や健診でのフォローを行い、適切な治療を行うために自身の経験や知識を広げることが必要だと思いました。
また壱岐だけでなく高齢者が多い地域は同じことが望まれるため、山口でも同様のことが必要となってくると改めて感じました。
壱岐に1か月滞在してよい思い出ばかりでした。
人も優しく、ご飯もおいしく、自然も豊かで海もとてもきれいでした。梅雨入りする前に観光もできたのでよかったです。
ご指導いただいた先生方だけでなく、院内で関わった皆様とても優しく、多くのことを教えてくださりとても楽しい1か月でした。
このような機会をくださりありがとうございました。
患者さんのために実現したい医師としての人生
関門医療センターで臨床研修医として働き始めてから、毎日が覚えることばかりで早くも2週間が過ぎようとしています。
医師としての役割を十分に果たすには大学生活で得た医学的知識だけでは不十分で、
患者さんとの接し方や検査の手順など覚えなくてはならないことが多く、日々の業務を何とかこなすことで精一杯ですが、
一日でも早く患者様のお力になれるよう日々努力を続けていきたいと思っております。
私は日々自己研鑽を怠らないこと、 患者さんの気持ちに寄り添った医療を提供できる医師になることの2つを目標として挙げます。
そのためには日々の診察・業務で足りなかったことをしっかりと持ち帰り、反芻する事で自分の知識や出来る手技を一つ一つ増やしていくことが大切だと思います。
また、ベッドサイドに通い、患者さんの苦痛や要求を正確に理解して共感し、少しでも不安を和らげることが出来るような医師になりたいと思います。
今は目の前の仕事をこなすことに精一杯で、力不足なことばかりですが、まずは目の前の患者さんから疾患だけでなくそこに至った背景・関わり方など、
余すこと無く勉強させていただくという姿勢で患者さんと関わっていきたいと思います。
これから充実した2年間になるよう初心を忘れず、日々精進して参ります。どうぞよろしくお願い致します。