研修医レポート
総合診療部臨床研修医 熊手 紫乃
美祢市立病院の研修を終えて
今回、地域医療研修として1か月美祢市立病院に行ってまいりました。
院内での多職種研修だけでなく、訪問診療や看護、社会福祉協議会、消防署といった様々な場所でも研修スケジュールを組んで下さっており、
盛沢山の充実した研修となりました。
毎日の経験を通して新たな角度で患者さんやご家族をはじめ患者さんを取り巻く環境に目を向けられるようになり、
退院後の患者さんの生活をより具体的にイメージすることができるようになったと思います。
楽しみにしていた消防署研修では出動する機会にも恵まれ、搬送先が限られる中でのトリアージや病院選定の難しさを感じることができました。
また、ロープ渡過や放水体験などの訓練も体験させていただき、自分の体力不足を痛感する一日となりました。
在宅医療では癌末期の患者さん宅に複数回訪問させていただく機会があり、余命の告知にも同席させていただきました。
患者さんそれぞれの価値観に沿った医療を提供しつつ最期まで寄り添っていく様子を近くで見させていただき、自分だったらどう伝えるか、
どう解決するかを深く考える機会となりました。
様々な立場の方々が「患者さんのため」という一つの目標に向かって試行錯誤し介入していく様子が大変印象的であり、
先生方が病院内外問わず様々な方と関係性を持ち、すぐに相談できる環境を作ることで患者さんのQOLの向上につながっているのだと感じました。
美祢市立病院で感じ学んだことを今後の診療にも生かせるよう、一層の努力を重ねていきたいと思います。
患者さんのために実現したい医師としての人生
長かった学生生活が終わり、社会人となって2週間程が経過しました。
初めての一人暮らし、初めての県外での生活と不安が拭えないままスタートしましたが
周囲の優しさのおかげで慣れない家事に苦戦しつつも予想ほど寂しい思いをせずに過ごせています。
そんな中で新社会人として仕事が始まり、実習とは全く違う環境で必死に周りについて行く日々に追われています。
大学で習った知識をさらに深めて実臨床での即戦力となれるためにも、自分のリズムを作って振り返りや勉強の時間をしっかりと確保できる事がひとまずの目標です。
今回のテーマである「患者さんのために実現したい医師としての人生」ですが、私は余裕のある医師になりたいと思います。
余裕を持つ事によって視野が広がり、人を受け入れる事が出来るようになると考えます。
余裕を持つためにはまず自分の業務に慣れることが必要です。
慣れて土台をしっかり作る事によって人を受け入れる余裕ができ、その余裕が職場の人とのコミュニケーションに繋がり、
最終的には患者さんの安全や安心に繋がると考えます。
まだほとんどの事が未経験で、2年目の先輩を見て来年自分も同じようになれているのか不安になったり、同期と比べて焦ってしまうこともありますが、
ふと自分自身を振り返ってみると点滴の扱い方を覚えたり、準備をだんだん1人で出来るようになりつつあったりと、本当に少しずつですが成長していると思います。
周りからの指導に感謝しつつ、この小さな成長を積み重ねていくことでいつか自分の目標とする医師の人生を実現出来る日が来るかもしれないと信じて、
まずはこの2年間をしっかりと頑張っていきたいと思います。