研修医レポート
総合診療部臨床研修医 中野 紗希
自己実現に近づけた2年間
私は大学実習の際に初めて外科の手術を見学し、手術が終わった後に患者さんやそのご家族の安堵される姿を見て、
単純にかっこいいと思い外科医を目指すようになりました。
いまや2人に1人はがんにかかる時代と言われています。
人生で出会う半分の人がそのような状況に陥ってしまった際に、私にできることを少しでも増やしたいという思いで2年間研修しました。
様々な診療科を研修しましたが、どの科でも共通して感じたのは、主治医の責任の重大さです。
患者さんの意思を尊重し、多職種と連携しつつ、ベストな選択肢を選んでいくのは波大抵の仕事ではありません。
自信をもってこの方法でいきます、と言うには膨大な知識と技術、経験が必要です。
まだまだ未熟ではありますがこの2年間で少し自身がついたかと思います。
また、患者さんに教わったことも沢山あります。
人生で何を重視しているかは当たり前ですが各人で異なりますが、その思いに少しでも寄り添っていけたらいいなという思いが強くなりました。
私がこれから医師として重視していきたいのは連携です。
患者さんの意思を尊重し、多職種の方々と協働しながら、治療に向き合う患者さんを中心に多方面から支えられるよう連携を努めていきます。
地域医療研修
関門医療センターに負けず劣らないオーシャンビューが魅力的な周防大島町立大島病院で地域医療研修を行いました。
周防大島ではみかん栽培に適するという理由で坂の上に民家が多いので、免許を返納したら通院できないという方々が多いです。
在宅医療を通して多職種・多施設が密に連携していることが、島民の健康寿命を支え、生涯現役の島と呼ばれる所以だと感じました。
研修の中で印象に残っているのは、訪問リハビリで作業療法士さんが言った「患者さんの疾患は改善できなくても環境を調節すれば、いくらでも、
時には原疾患の治療以上に生活の質を改善できる」という言葉です。患者中心に様々な視点で支えていると肌で感じました。
また、瀬戸内のハワイとも言われており、休日はリゾートホテルやダイビングなどを楽しむこともできました。
研修に関わってくださった関係者の皆様、ありがとうございました。
研修2年目にかける思い
患者さんからこの1年間で非常に多くのことを学ばせていただきました。
研修始まった当初、問診や検査などにおいて不慣れさが出てしまっていた時期に、
終末期の患者さんから勉強大変だと思うけど私で学んでね、と言われたことを今でも覚えております。
何もできない自分にふがいなさを感じて落ち込んでいた時期だったので、
気持ちが軽くなると同時に、落ち込んでいる暇はないと自分を奮い立たせるきっかけになりました。
忙しさに追われると視野が狭くなってしまいがちなのですが、意識して視野を広くもつことが大切だと学ばせていただきました。
視野を広くして余裕が生まれると、医療におけるミスを減らせるとともに相手を思いやることができ、
患者さんとの信頼関係につながり、ひいては治療効果にも少なからず影響を与えるのではないかと思っております。
気がつけばあっという間に研修1年目が終了したという事実に、少し焦りを感じております。
1年前と比べると医学知識も診療手技も確実にレベルアップしているという実感はあります。
しかし、来年から後期研修が始まると、今までに比べて責任がより一層重くなります。
研修医のうちに吸収できるものはすべて吸収したいと思います。
研修医というレッテルに守られているという気持ちではだめだと感じているので、
一つ一つの診療に対して責任感をもって取り組んでいこうと思います。
辛苦を超えた喜びの一年
関門医療センターで働き始めてはや一年経とうとしております。
ちょうど1年前は国家試験が終了した直後で、医師として働き始めることに対する不安と期待とが入り混じった複雑な心境でした。
この一年間、自分の未熟さを突き付けられては学びを深める連続で、
ひたすらに日々のタスクをこなすのに精一杯だったように思います。
今改めてこの一年間を思い返しますと、患者さんや他の医療従事者含め、
他者との関わり方が大変重要な役割を担っていると実感した場面が真っ先に浮かびます。
もちろん医学的知識も重要なのですが、
患者さんの言葉や他の医療従事者の気づきをいかに引き出すかが医師の腕の見せどころではないかと思います。
常日頃から患者様とどのように信頼を築けるか、
医療従事者の方々と密に連携をとる重要性を意識しながら日々を過ごしたいと思います。
1年前の自分と比較すると、考え方も周囲の人々との接し方も大きく変化し、
失敗もたくさんしましたがそれ以上に自分の中で成長できたと思える部分がいくつか挙げられます。
今後も、昨日の自分より一つでも成長できた点を夜寝る前に思い浮かべられるように、
研修医のうちに吸収できるものはすべて吸収したいと思います。
患者さんのために実現したい医師としての人生
研修医として働き始めて2週間が経とうとしています。この2週間は覚えることが多く、
慣れるのに精一杯でしたが、ふと立ち止まって理想の医師像を考えてみました。
患者さんは様々な症状で困っており、その原因が分からずいつも心配な表情で来院されます。
また、今やインターネットで手軽に疾患に関する知識を手に入れられる時代で、間違った、
あるいはごく稀な可能性の話に惑わされて、余計に不安になってしまう場合もあります。
そういった不安を少しでも解消できるように患者さんの気持ちに寄り添える医師になりたいです。
まずは知識を正確に把握しておく必要がありますが、それと同時に、病室に頻繁に通い、
患者さんと接する時間を積み重ねていきたいと思っております。
また、患者さんに信頼される医師になることも目標の一つです。
そのためには患者さんの気持ちを理解しようとする心が大切であると考えています。
まずは偏見なしに患者さんの声を聴きたいです。
これは忙しさに追われるほど忘れがちになるように思います。
患者さんが言いたいことを言うことができれば、不安な気持ちも軽くなり、
医師として患者さんとともに治療選択をすることができるので、最終的には患者さんの利益に繋がると考えています。
最後に、常に意識したいことは挑戦することです。
一生続けていく仕事ですので、興味があることには何でも挑戦し、
ステップアップすることが患者さんのためにも実現すべき医師像だと考えています。