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研修医レポート


総合診療部臨床研修医   木下 萌


研修2年目にかける思い


下関へ来て、二度目の桜の季節になりました。 昨年は余裕がなく気がつけば葉桜になっていた記憶もありますが、今年は戦場ヶ原公園へ花見に行ったり長府の道路沿いまで散歩したり、 下関の春を昨年より感じることができたように思います。 あとは火の山公園のトルコチューリップ園を見れば下関の春はコンプリートといったところでしょうか。

さて先日、少し嬉しいことがありました。ある日病棟を歩いていると、向こうから見覚えのある患者さんが歩いてくるのが見えました。 「あ、救急外来で見た患者さんだな。」と私はすぐに気がつきました。 しかし、大抵の患者さんは救急外来で当直中に診察しても、 翌日以降は担当診療科で主治医がつくので、夜間の救急外来で担当した研修医の顔なんかは覚えていない方が多いです。 もちろん救急外来を受診しているくらいなので、痛み・苦しみが強いなど余裕のない方が多く、仕方のないことです。 回復していそうでよかったなあと心の中で思いながら挨拶を交わすことが多いのですが、その方は、「あれ、救急外来で担当してくれた先生ですよね。 無事昨日手術が終わって、あとはリハビリを頑張るところです。あの時はありがとうございました。」と声をかけてくださりました。 来院された時は苦しそうな顔をされていたその方の笑顔を見て、自分がしたことが人のためになったのだなあと実感しました。 それと同時に、これからも頑張ろうと気を引き締められる出来事でした。

気がつけば二年目と呼ばれる年を迎えました。 今年は将来の進路についてもいよいよ考えていかなければなりませんが、初心を忘れず、今年度も頑張っていきたいと思います。



辛苦を超えた喜びの一年


数週間前に、左の奥歯のさらに奥に磨き残しか何かだろうかと思うような違和感を感じました。 歯磨きをしていればなくなるだろうと思っていたその違和感は日に日に存在感を増していき、私はそれが生え始めた親知らずであるということに思い至りました。

噂には聞いていたものの、私の体の中に今から成長していくものがあるというのは不思議なもので、 噛み合わせや虫歯のリスクを考えるといつかはお別れしなければならないとは思いつつも何だか愛おしささえ感じてしまいます。

医師人生は一生勉強だとは聞いていたものの、実際に研修が始まると、この一年は知識だけではなく考え方や学ぶ姿勢、人との接し方まで、 様々な面において自分を省みることの多い一年でした。

来月からは後輩もでき、また専門性の高い三年目以降に繋げるべき一年が始まります。 親知らずに負けず(これは近いうちに抜こうと思っていますが)、まだまだ私も成長していきたいところです。



半年の節目に


吹く風の涼しさが心地よくなってきて、患者さんからお聞きする夕飯の献立に秋刀魚や炊き込みご飯が頻回に登場するようになり、秋の到来を感じる今日この頃です。
さて、先日は私が応援している東京ヤクルトスワローズがリーグ連覇を果たしました。 コロナと戦いながらのシーズンはかなり厳しいものもありましたが、不足をみんなで補い合うプレーにいちファンとして勇気をもらっていました。 優勝を決めたのは一年目のルーキー・丸山選手でした。 凡事徹底、当たり前のことをしっかりとすることを目標として掲げる彼の姿は、少し気が緩みがちであった自分の気持ちを引き締めてくれました。

半年が経ち、様々な診療科にお世話になっていく中で、少しずつではありますが診療の流れや対応の仕方など慣れが出てくる頃です。 しかし、そういった時こそ経験則に頼り切るのではなく、しっかりと自分の頭で考え、手を動かして調べて、その上で検討するという当たり前のことを怠らずしていきたいところです。

また、上級医の先生方だけでなく、研修医二年目の先輩や同期、コメディカルの方々のありがたさも身に沁みる半年でした。 医療もまたチームプレーなのだということを強く感じ、今度は自分が誰かを支え、補っていけるように、研鑽を積んでいきたい所存です。
私も関門医療センターのルーキーとして恥じない働きを、という思いを胸に今日も診療に励みたいです。



患者さんのために実現したい医師としての人生


入職した当初はまだ桜も咲き始めだったものが桜の季節が終わり、新緑が眩しい季節となり、時の流れの早さを感じます。
病院内や寮からの往復で毎日目にする海が私は本当に好きなのですが、日々海を見ていて、同じ位置から見る海でも日が違えばこんなにも見え方が違い、 また、同じ日に見る海でも違う角度から見るとまた見え方が違うものなのだなあと感心してしまいます。 陽の光を受けてキラキラと輝く海や夕陽のオレンジに染まる海ももちろん美しいのですが、雨や曇りの日の深みのある海の色もまた味わい深いものがあります。 陽の当たり方が違うと、同じ日でも同じ青に見えないこともあります。
日によって見え方が変わる、というと、患者さんと接していてもそう感じることがよくあります。同じ患者さんでも、日によって調子が良さそうな日があったり、キツそうな日があったりします。 数値に表れない小さな変化も多いですが、そういった変化を見逃すことのない医師を目指したいと感じています。

私は地域枠で山口大学に入学しました。これからの人生をこの山口県で医師として過ごしていくことになります。 私の生まれ育ったこの山口県ではみなさんがご存知の通り少子高齢化が進んでいます。 高齢の患者さんを見ていると、様々な体の不調のある方がとても多く、物事を多面的に見ることの重要性を改めて感じさせられます。

物事の機微に敏感な医師、ひいては人間としてもそういった生き方をしていきたいと思い、毎日を過ごしています。



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