総合診療部臨床研修医　　　金子 真也

自己実現に近づけた2年間

国家試験に合格し研修医として当センターで医師として働き始め充実した研修が送れました。

研修医生活の2年間で、救急科志望として迅速な判断と繋いでいく医療を学ぶことができたと考えております。 救急外来では多様な疾患、重症度、生活背景の方が予期せぬ形で受診されます。 その中で他科の先生方や看護師さん、技師さんなどコメディカルの皆さんのお力添えがあるおかげで成り立っているものということも学ぶことができました。 自分の力のみでは解決できないことも数多くあり、今後は自身の知識や技能を学びつつ、謙虚な姿勢を保ちながら医療に携わっていくことができればと考えています。

関門医療センターでの研修生活中には多くご迷惑をおかけする場面は多々あったかとは存じますが、ご容赦いただければ幸いです。 また最後になりますが、丁寧にご指導いただきましたスタッフの皆さまと、医療を通じて貴重な経験させていただきました地域の患者の皆さまには厚く御礼申し上げます。

地域医療研修

今回私は鹿児島県沖永良部島にあります、沖永良部徳洲会病院で地域医療研修を行いました。 沖永良部島は沖縄文化も色濃い人口1万2千人ほどの小さな島です。

島に総合病院は一つしかなく、細分化した専門の先生は月に数日しか来られません。 そんな中で救急患者さんも、発熱患者さんも、定期受診の患者さんもすべて受け入れるまさに島の最後の砦として機能していました。 私もその中で様々な疾患を経験させていただきました。
すべて診る、場合によっては島外につなぐという医療は離島ならではありながら、自分の目指す救急/総合診療医としての目指すべき姿でもあると感じられ、 とても有意義に研修させていただきました。

また、島の景観は絶景で、関門医療センターに並ぶオーシャンビューの病院はないだろうと考えていましたが、病院からも甲乙つけがたい眺望でした。 是非皆さまも足を運んではいかがでしょうか。

半年の節目に

新しく医師になって早半年が過ぎました。広島が安定してペナントレースを5位で終え、新たな監督に新井さんが就任したりするのと同じように目まぐるしく医師としての生活を送っています。

研修医という立場上、様々な科を１～２か月で変わっていくため半年という時間よりさらに新鮮な気持ちで診療を進めています。
医師としての仕事は自分が思っていた以上に大変であると同時に多くのことを考え、どのように病態に対してアプローチをしていくかという組み立てを行っていくことはとてもやりがいを感じています。 回っている科によってそのアプローチの方法が変わっていくのはもちろんのことですが、多くの先生の下で学ばせていただくと、先生方それぞれの独自の方法があったりします。
その多くの方法を間近で見ることで、とても刺激的な毎日を送ることができています。できるだけ盗めるものを盗むという心がけで今後も診療に生かしていければと考えております。

また医師だけでなくコメディカルの方々にも患者さんへの接し方、検査の方法といった様々な技術を間近で感じることができます。 半年間でそれらの技術が診療の大部分を占めることを痛感しており、これからの半年間はその手法についても盗めるものは盗む、そのスタンスを目標にまず１年間研修をまとめていきたいと感じています。
まだまだ未熟な医師ですが今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

患者さんのために実現したい医師としての人生

研修医として入職し、未だに右も左も分からない生活を続けていますが、現時点で医学生時代とは違うとても大きな責任感を感じています。 また、それとともに今までの知識や臨床推論とは違う、患者さんの持つ多くの側面に改めて気づくことができました。

私達研修医は病気について精一杯力添えさせていただくことが一番重要な責務であると考えますが、 患者さんは身体的な病気だけでなく、他の社会的や経済的な不安などたくさんの顔を持って病院へ来られます。 つまり私たちは患者さんの一面にのみに集中してフォーカスを当てているだけの状態となります。
そこで多面的に患者様を幸せにするには多職種での連携がとても重要だと痛感しました。 病院内にはそれぞれの資格を持った多くのプロの方がいます。 患者さんの持つ多彩な側面にそれぞれの得意分野からチームとして、輪を囲むように取り組んでいくようなアプローチの仕方が不可欠であると考えます。
更に病院内だけでなく、他の病院の皆さまや、病院へのアクセスを支える方、そして地域の皆さま、 何より患者さんご本人やそのご家族の皆さんにもその輪に加わって支えていくことが重要であると考えます。

このように多職種と連携し、更には地域を含め、大きな輪を作るチームの一員として患者さんを支えていくことのできる医師として活躍できるよう研鑽を積んでまいります。

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