高気圧酸素治療室
山口県下関市で唯一、高気圧酸素治療を実施しています。
関門医療センターには、1人用第1種装置(純酸素加圧)を2台置いています。
次のような疾患には保険適応があります。
高気圧酸素治療の適応疾患(日本高気圧環境・潜水医学会)
ア.ガス塞栓症または減圧症
イ.一酸化炭素中毒その他のガス中毒
ウ.重症軟部組織感染症(ガス壊疽,壊死性筋膜炎)または頭蓋内膿瘍
エ.急性外傷性血流障害(挫滅症候群またはコンパートメント症候群)
オ.末梢血管障害
(イ) 網膜動脈閉塞症
(ロ) 難治性潰瘍(糖尿病,動脈または静脈性血流障害、脱疽等)
カ.放射線障害(下顎骨を含めた頭頸部,下部消化管,膀胱,脳)
キ.骨髄炎
ク.皮膚移植
ケ.熱傷または凍傷
コ.突発性難聴
サ.急性心筋虚血
シ.放射線または抗癌剤と併用される悪性腫瘍(頭頸部がん,子宮頸がん,悪性脳腫瘍)
ス.腸閉塞
セ.低酸素脳症
ソ.脊髄・神経疾患
タ.急性頭部外傷(開頭術後の脳浮腫)
チ.脳梗塞
いずれの疾患も、各専門診療科で治療適応が検討されます。外来通院でも治療可能です。
高圧酸素療法に関するよくある質問
Q. 高気圧酸素治療とは、どんな治療ですか?
A. 大気圧より高い気圧環境の中で、酸素を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療です。
通常の大気圧下での呼吸で得られる酸素量に対して、10~20倍にまで酸素を体内に取り込むことができ、体内で取り込まれた大量の酸素は、手足の先端まで行き渡りあらゆる低酸素状態の改善を図ります。
血管新生や組織修復などに働きかけることから、創傷治癒に対しても促進効果を発揮します。
Q. 装置の中に入っている時間はどのくらいですか?
A. 1回の治療時間は、圧力を上げるために15分、治療時間に60分、圧力を下げるために15分、合計90分です。
治療前に必ずトイレを済ませておいてください。
Q. 治療には日数がかかるのですか?
A. 1回90分の治療を、1日1回ずつ、疾患により違いはありますが、最大30回実施します。
治療回数は、病気の種類や状態などによって変わることがあり、医師の判断によります。
Q. 治療中に体調に異常を感じた場合どうすればいいですか?
A. 装置の外にいる技士と常に会話が可能ですので、お知らせください。状態によっては直ちに治療を中止します。
Q. 治療中は、耳が痛くなりますか?
A. 始めの圧力を上げる15分間と終わりの圧力を下げる15分間は、装置内の圧力が常に変化しているため、気圧の変化による耳痛が起こります。
痛みの程度には個人差がありますが、飛行機やトンネルなどで耳痛がする方は痛みを生じやすく、場合によっては装置の扉が閉まった時点で耳痛を感じることがあります。
耳痛は、耳抜きを行うと解消されますが、解消されない場合には、圧力の上げ方を調整しできるだけ痛みが少なくなるように対応します。
Q. 治療中、体は動かせますか?
A. 高気圧酸素治療装置内は狭いですが、MRIなどの検査と違って動いても大丈夫です。寝返りをしたり、脚を組んでいただいてもかまいません。
Q. 治療中はテレビは見れますか?
A. 治療中はテレビやDVDを見たり、音楽を聴いたりして過ごしていただきます。
Q.高圧酸素療法で注意することはありますか?
A.火気厳禁です。燃えるもの、燃えやすいものは持ち込めません。電気的スパークを発生する可能性がありますので、携帯電話などの電化製品も持ち込めません。
Q.高圧酸素療法では入院は必要ですか?
A.高気圧酸素療法を受けられる患者さんには入院していただく場合が多いですが、外来でも治療可能な体制を整えています。
Q. 高気圧酸素治療にかかる費用はいくらぐらいですか?
A. 治療費は、保険診療の場合、診察料を除いて、治療1回につき3割負担の方で ¥9,760、1割負担の方は ¥3,250です。入院の場合はこれに入院料が加わります。
限度額適応認定証や 高額療養費制度などで払い戻しを受けられることがあります。制度について、くわしくは当院の患者相談室へご相談ください。
Q. 接骨院などにある「酸素カプセル」などとは違うのですか?
A. 高気圧酸素治療装置は医療用機器ですので、接骨院などで使用される機器よりも高い圧力と酸素濃度で治療を行っています。