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サンデー健康応援講座


あなたにもできる!心肺蘇生法


救急認定看護師 柴野 創(しばの はじめ)


呼吸が止まると、肺で酸素のガス交換ができなくなり、心臓が止まると心臓から全身に送られる血液は途絶えます。心肺停止状態では、人は生命を維持することが出来なくなります。カーラー氏の救命曲線では、心肺停止の場合、3分で50%の人が死亡するといわれています。日本の救急隊はとても優秀で、通報を受けてから現場に到着できる時間は平均で8分かかるそうですが、3分という時間に居合わせることは、物理的に困難です。
大切なことはその場に居合わせた人が質の高い胸骨圧迫を行うことです。



また心肺停止状態によって最も重い障害を受ける臓器は、脳です。たとえ蘇生によって心臓や呼吸が戻ったとしても、低酸素状態になった脳は、重篤で不可逆的な障害を引き起こします。そのため、社会復帰できる状態まで回復できる人はごくわずかとなってしまいます。

蘇生処置を行うかについて、2000年AHA(アメリカ心臓学会)やILCOR(国際蘇生法連絡委員会)が中心になって蘇生法のエビデンスを評価し国際的なガイドラインが作成されました。以降5年毎にガイドラインは、見直しされています。最新のガイドラインは2015年に改定され、胸骨圧迫は100回/分以上早ければ早いほど良いから100~120回/分、深さは5㎝以上なるべく深くから5㎝以上6㎝未満と提言されています。蘇生において最も重要なのは、早期から質の高い胸骨圧迫を行い、安全かつ迅速な除細動を行うことです。

当センターでは、患者さんが安心して入院生活を送れるように、救急看護認定看護師が中心になって全職員対象に心肺蘇生法の指導や下関市内の小中学校や自治会、企業からの依頼に応じて心肺蘇生法の講習会を行っています。かけがえのない一人ひとりの大切な命や生活が守られるように地域の皆さんと一緒に取り組んでいこうと思っています。












受付時間 8時30分~11時30分
休診日 土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始(12/29~1/3)

★救命救急センターER24は24時間365日無休診です。