研修医レポート
総合診療部臨床研修医 竹下 皓子
自己実現に近づけた2年間
進む診療科:麻酔蘇生科
この診療科を選んだ理由と目指す医師像
もともと手術を見たり参加する事が好きで、体力があれば外科にも進みたかったのですが断念しました。
そこで、周術期と集中治療を学べる麻酔科を選択しました。
研修部長の吉野先生を含め外科の先生方にはたくさん相談にのって頂き、お世話になりました。
学生時代までにはなかった理想の医師像が、関門に来て少しずつ出来、あっという間に自分の進む科や将来像を考えなければならない時期になりました。
自分だけでは解決できず、先生方に相談に乗って頂き、女医としての働き方、生き方、今後起こり得るイベントのタイミングなどを真剣に考えることができました。
それまでちゃらんぽらんに生きてきた自分にとっては、自分を見つめ直す良い機会になりました。
今後は麻酔科医として麻酔中に痛みなど自分の意思を伝えられない患者さんのサインを受け取り、攻めの麻酔をすることで、患者さん、術者にストレスのない麻酔を目指したいと思っています。
関門で印象に残っていること
入職した際、知らない土地、知り合いのいない環境だったので、少し不安な反面ワクワクしていました。
関門の特徴ですが、研修医が2年目が13名、同期の1年目も16名と多く、色んな所から集まっており、楽しく研修医生活が始まったのを覚えています。
最初はどの科を回るにも、当直も1人になることはなく、安心感がありました。
最初の当直で5分後のCPAでコールを受け、どうしようと頭の中が真っ白になったのを覚えていますが、上級医や先輩に支えて頂きました。
思い返すと患者さんが退院する際などに先生に見てもらって良かったと言われて仕事冥利に尽きるなと嬉しく感じ、改めて医師になって良かったなと感じる事がたくさんありました。
ですがやはり特に印象に残っている事は自分がミスしてしまったことや、こうすればよかったなという後悔です。
研修医という、医師でありながら上級医のフォローを受けることができる貴重な時期を関門で過ごすことが出来ました。
2年間たくさんの方に支えて頂いて今があると感じています。本当にありがとうございました。
今後も関門の2年間で得た貴重な経験を自分の軸に持ち続けたいです。
地域医療研修を終えて
こんにちは。研修医 2年目の竹下皓子と申します。
私は10月に長崎県の北に位置する壱岐の病院で地域研修を行いました。
壱岐は九州と対馬の間にある 2時間もあれば島1周ができる小さな島です。
私が行った時は少し肌寒い季節ではありましたが、晴れの日には見たことがないくらいの青い空、
朝日から綺麗な夕焼け、夜は天の川まで見ることができました。
私は福岡出身なのですが、福岡から高速船1時間で行けるこんな素敵な島があることに驚きました。
研修初日に院長先生にお会いしたとき、地域研修の意義を問われました。
その時は出身も病院も違うはじめましての同期4人でうーんと言いながら悩んでいました。
院長先生にはすぐに答えを出さずにこの1ヶ月で考えて欲しいと言われました。
壱岐病院では地域医療と言いつつ麻酔科をメインに回らせてもらいました。
多い時で1日6件の手術の麻酔を担当し毎日ヘトヘトになっていましたが、仕事が終わって同期や上級医の先生方と美味しいご飯を食べられることが楽しみでした。
他にも救急や訪問診療、離島研修を通じて地域医療に触れました。
救急では蜂やマムシ咬傷、崖から転落した、船の錨が足に落ちてきた等、様々な主訴の方がいらっしゃいました。
重症の場合は船やドクターヘリでの搬送を考えなければならず島ならではの医療の在り方を経験しました。
訪問診療や離島研修では自分で病院に来ることのできない患者さんの不安に寄り添った医療を考えられていました。
やっと在宅医療を始められた末期癌の患者さんの奥様に対してあと1週間が峠ですと話をしなければならず、なんとも言えない心情になりました。
訪問診療の医師が不安で仕方のなかった奥様に対して、患者さんはもちろん奥様や医師、
看護師を含めて一つのチームだからいつでも何でも頼ってくださいと伝えた時に、とても安心されていたのが印象的でした。
病院に行けない患者さん、家で余生を過ごしたい患者さん、そしてそれを支える家族、地域の人々みんなが安心できる医療というのは個々に違って、
提供する医療のかたちも地域によって異なり、とても難しいなと感じました。
また文化の異なる同期5人と、たくさんご飯を食べ、遊び、話すことができて1ヶ月間とても刺激を受け、関門医療センターに戻ってからも頑張ろうと思いました。
これからあと数ヶ月と短い期間ですがよろしくお願いします。
研修2年目にかける思い
あっという間に初期研修医としての1年が終了し、2年目となる時期になりました。
大学を卒業して研修医として働き出した時のような新鮮さは薄れてきましたが、
後にない研修医という時期を大切に有意義に過ごさなければとつくづく思っています。
1年目の時にはわからないことをすぐに聞ける2年目の先輩がいてとても心強かったのですが、今は逆の立場になってしまいました。
思い返すと大学の部活では1年生の時に先輩から手取り足取り教えてもらったあとは、徐々に理解が深まりいつの間にか後輩を教えることができていました。
最初に教えられて学ぶ期間は一瞬ですが、それ以降は自分の努力次第、そして何よりも誰かに教えることは自分の無知を知る事でもあり、自分の勉強にも繋がるとその時に思った事を思い出しました。
医学は大学の部活とはもちろん異なりますが、似ている部分もあります。
先輩から学び努力をして学び続け、後輩へ教えることが自分の理想の医師像の実現に繋がると信じて今後も邁進したいです。
3ヶ月の経験とこれからの挑戦
医師として働き始めて早くも三ヶ月が経ちました。
総合診療科、外科、内科と回り、日々新たな気付きと学びばかりで毎日があっという間に過ぎました。
上級医の先生方には優しく時に厳しく、いろはのいから教えて頂いています。
どの先生方も自分だったらこの先生に診て貰いたいと思える良いロールモデルで、自分の医師としての将来像を描き始めることがようやく出来ました。
患者さんに対して何が出来るのか、患者さんにとってどんな治療が良いのかを先生方は毎日当たり前に行っていますが、自分はまだ当たり前には出来ず、何が出来るか悩む日々が続いています。
特に救急では国家試験での知識が通じない場面が多々あり、自分の足りない部分を目の前に突き付けられる感覚があります。
その度に辛くて駄目だなと思いますが、今はそれと共に良い勉強の機会だと思うようになりました。
やはり急変の時や当直で患者さんを診る時の最大級の緊張感は変わらずあり、自分の未熟さを痛感するばかりですが、
患者さん一人一人に全力で向き合い、学び続けたいと考えています。
また、初期研修の2年間はそれぞれの専門の元で学べる最後のチャンスなので、各科で学ぶ知識や手技、診察等を吸収し、次のステップに進みたいです。
患者さんのために実現したい医師としての人生
私が大学生活を通じて学んだことは、一人一人が多様な考えを持っており、自分が良いと思う事が必ずしも相手にとっても同じでないと言う事です。
これは患者さんと接する際には勿論ですが、これから私が医師として学び成長する上で大切な事であると考えています。
患者さんにとって何が大切なのか、どういった人生を送りたいのか、そしてご家族の考え。
上級医の先生方はこれらを汲み取った上で日々の治療をどうするか考えられていて本当に尊敬すると同時に自分もそうなりたいと感じます。
医師として働き出して1ヶ月目が過ぎましたが、医師としても人としても未熟な中で、たくさんの事を学ばせて頂いています。
知らないことや知っていても間違うことがたくさんあり、日々勉強ですが,素直さを忘れずに学ぶことを10年後やその後も続けられたらいいなと思っています。
まずは患者さんに寄り添い、毎日少しでも多くのことを学び自分で考えて動けることを目標に頑張ります。