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研修医レポート


総合診療部臨床研修医   高瀬 早百合


自己実現に近づけた2年間


進む診療科:麻酔科

選んだ理由
もともと学生のころから興味がありました。麻酔科研修で日々工夫しながら手技を磨く楽しさに目覚め、 存在感は薄くても、周術期の安全をひそかに支えるごんぎつねのような存在になりたいという思いが強まり、気が付いたら麻酔科を選んでいました。

関門医療センターでの研修
初期研修を始めたばかりの頃は、機械での練習や学生間の採血などの練習を重ねたにもかかわらず、本当の患者さんを目の前に緊張してばかりでした。 そんな時、患者さんから「頑張りなさいよ」とたくさんの暖かい言葉をいただきました。 自分が病気でお辛いのに一人勝手に緊張してしまっている研修医を思いやって下さるやさしさに応えたい、日々良くなろう、 もっと痛くないようにしようと、向き合い続けることができました。 同期や看護師さんにも相談し、他愛もない話をしながらリフレッシュできたのも良かったです。

目指す医師像
専門の技術を収めつつ、患者さん、環境、医療チームの変化に俊敏に気づいて柔軟に対応でき、より多くの人々の健康に貢献できる存在になりたいです。



国立保健医療科学院で臨床研修専攻科の研修を終えて


研修 「より広く人々の健康に関わりたい、そのために公衆衛生に関して学び直したい」と応募した今回の研修が、 国際情勢やコロナ禍で潰えることなく無事に修了できました。 このプログラムの企画調整に携わられた皆様に御礼申し上げます。

2ヶ月間は講義を軸として、浄水場やハンセン病研究センターなど施設での研修、後半ではWPROやフィリピン大学での実地の研修を行いました。

公衆衛生に関しての様々な講義を受けました。公衆衛生を構成する分野は驚くほど多岐にわたり、健康は病院内の仕事の他にも多くの人が関わり支えられているのだと実感しました。 国際協力という地球規模のものから、医療政策、保健所の業務というより地域に即したものまであります。 また、公害、薬害、タバコ、水など環境に関しての研究や取り組みなども学びました。 今日ではネットで調べればさまざまな情報は手に入りはしますが、その道を専門とされている先生方の整理された視点で公衆衛生について学べ、 フィリピンでもWPROやフィリピン大学病院で講義を受け、実際に見学して、視野が広がるまたとない良い機会をいただけたと思います。 また公衆衛生に関するキャリア形成についてもロールモデルとなる先生方からお話を伺う機会をいただけました。

研修 研修



2ヶ月間非常に濃い時間を過ごして得た経験を自分の中でしっかり消化して、 公衆衛生的観点を強化した状態で臨床の場に立ち、何が必要か、何ができるかを考え、公衆衛生の分野に身を投じることができたらと思います。



患者さんのために実現したい医師としての人生


医師としての研鑽を積む中で、これから視野が広がり、変わっていく可能性が高いですが、 今のところはいざというときに無理できる余力のある医師であり続けたいです。 アランの幸福論「他人を幸せにするにはまず自分が幸せであることだ」のように「他人を健やかにするには、まず自分が健やかである」こと、 健康であり続けることが人生を通して大事なのではないかと思っています。 患者さんを健康な状態、社会生活を営めるようお手伝いするには、まず自分が心身ともに健康を保つよう努めなくてはならない。 これは決して何か労力を出し惜しみしたり、面倒くさがったりというようなことを指すのではありません。 確かな判断力と体力を精神力を持ち合わせ続けるために、自分の心身のメンテナンスを怠らないよう気をつけています。

100%健康、どんな検査をしても全ての項目が健康な人、というのは実はそんなにいません。 医師である私や、また同僚、そして尊敬する上司であっても、すでに何かしらの病気であったり、病気になる可能性があるのです。 医者の不養生というように医師だから、医学の知識や技術があるからといって患者にならないというわけではないのです。

誰かや何かを必要以上に犠牲にせずに、患者さんの健康を守る、それが個人単位での持続可能な医療の姿なのではないかと思っています。 ただでさえ患者さん自身が心身の不調で苦しい思いをされているのに、そこに携わる人間が、その思いを汲み取れないほどに余裕のない状態に陥らないように、 ともに働く医療従事者の心身の健康にも心を配れるほどの余力のある医師に成長したい。 それがひいては、より多くの患者さん、直接携わらない患者さんであっても、医療の向上につながりうると信じています。

科学的根拠に基づいた予防医学の普及に務め、また自身がその予防医学に基づいた行動規範たる生活を楽しく守ることを通して一層の普及に努める人間でありたいです。 とはいえまだまだ学ぶべきことは多く、今は医師として身につけるべき基本の技術や知識、 患者さんとの円滑なコミュニケーション等の研鑽を積むことを最優先に日々頑張ってまいります。



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