研修医レポート
総合診療部臨床研修医 河野 伶奈
自己実現に近づけた2年間
進む診療科:救急科
ポリクリ研修において、毎日患者さんに会う中で、現在の状態やこれから起こりうる問題を日々の血液検査や訴えから推測し、
それが次第に合っていたことが明らかになるときに非常にやりがいを感じていました。
その経験から、リスクの高い状態の患者さんの刻一刻と変わる状態をきちんと評価し、対応できる医師になりたいという思いがあり、救急科を選択しました。
やはり関門医療センターでの研修ではERでの対応という部分が多い印象でしたが、
その中でもERから入院したその後という部分にもある程度関与することができ、大変勉強になりました。
これからもしっかりと学びを深め、どんな重症でも自信をもって対応できる医師になるよう努めたいです。
研修2年目にかける思い
研修2年目になってまずはしっかり腰を落ち着けて学んでいきたいという思いが強くあります。
やはり1年目ではとにかく慣れること、実際にはこのようにするのだという事実を知ることに手一杯となっていました。
2年目となり、1年目のころに比べれば少なからずスムーズにできるようになった部分もあるのではないかと考えています。
故に、これからはなぜそのようなことをするのか、今これをする必要があるのはなぜなのかまで、余裕を持って意識することを目標としたいと思っています。
今後進む診療科の選択の時も近づいており、1年目の時と違って、ある程度ローテーションする診療科を自由に選べるようにもなりました。
未だ明確には将来の診療科を決めておらず、研修2年目で自分の能力や考え方にあった診療科はどれなのかを見極めたいと考えています。
また、将来的に進まない診療科に関してはこの研修生活がなんでも質問できる最後の学習の機会になりうると思います。
選択する診療科とは異なる分野の知識、技術であったとしても、今後医師を名乗るうえで、
理解しとかなければならないことはしっかりと理解したうえで研修生活を終えられるように努力していきたいです。
半年の節目に
2年間の研修期間が始まり、想像以上に早く時間が過ぎ去り、あっという間の半年間でした。
まだまだ一年目ということで、慣れない部分もありますが、4月の頃に比べればスムーズにできることも、多くあるように感じています。
しかしながらこの半年間はやはり、研修生活そのものに追われており、医学に関しての勉強をあまり進められなかった印象でした。
そこで、半年の節目として今後は、短期的な目標を立てて、少しずつ学習を進めていくことを目指したいと考えています。
この半年間、タームが変わり、診療科が切り替わると、覚えることも増え、長期的な目標では手が回らなくなりがちでした。
故に、特定の疾患に関しての対応を学ぶや、なんらかの教科書を読破するなどの小さな目標をつくり、
短期的に集中した学習を行えば、うまく研修生活と医学の学習を両立していけるのではないかと思っています。
そして、可能であるならば研修中の診療科と学習内容に関連性をつくることができれば、実際の研修生活の中で速やかに学習を活かすことができ、
或いは研修で実際に行ったことを基に学習ができ、より効率的になるのではないかと考えています。
研修生活が四分の一過ぎ、未だに学ぶことが多くある身ですが、短期的な目標を立て、効率的に研修生活の中で少しでも多くのことを吸収していきたいと思います。
3か月の経験とこれからの挑戦
この3か月で総合診療科・救急科や当直において多くの患者さんを診させていただきました。
血液検査や画像検査のオーダーの仕方にはなれ、4月に比べると素早く進められるようになりました。
そのように慣れてきたと感じる部分がある一方、診察の組み立てについては経験が足りないと思うことがしばしばあります。
今まで学生として臨床推論をする際には、必要な情報がすべてまとめられた上で、そこから検討する形でした。
しかしながら実際の現場では重要な情報が何かを自分自身で考えて、その収集のために問診や検査オーダーを行う必要があり、多くの戸惑いがありました。
さらに来院される患者さんの人数を考慮すると、作業をスムーズに行わなければならず、もっと効率的に進めることができたのではないかと感じることが多々あります。
これからの挑戦として、今行っていることだけではなく、もっと次に行うことにも視野を広げて、効率的に的確な診察を進められるように努力していきたいです。
そのためには、様々な症例を経験するだけでなく、同僚や先輩方が出会った症例にも注意し、自分ならどうするか、どのタイミングで何を行うかをよく検討することが大切であると考えています。
患者さんのために実現したい医師としての人生
昨今、医師は医療の成長、複雑さが増すことにより専門化が著しく進んでいると感じています。
もちろん、最新の治療や技術をよく理解するためには専門性は必要だと思いますが、
その一方で、患者さんのためになる医師というものは、入り口までの幅広い知識と技術を持っていることでもあると考えています。
入り口までの幅広い知識と技術というのは、例えば緊急性の高い疾患ですぐに対応が必要なのかどうかといった判断であったり、
専門医による精査が必要なのかどうか、common diseaseで経過をゆっくり見ていってもよいのかという判断であったりすると想定しています。
これらの知識や技術を備えた医師であることが、患者さんのことを考えた時に、極めて重要であると思います。
私は、将来進みたい分野がいくつかあり、当然それらの中の一分野の専門医を志す予定です。
しかしそれ以前に、目の前で誰かが倒れた時、身近な誰かから心身に関する悩みを相談された時などに自信をもって対応できる医師でもありたいです。
すなわち、専門医として医療の場に立っている時だけでなく、普段のあらゆるときにおいて、適切な対応ができる医師でありたいと考えており、
それが本当に患者さんのためにつながると考えています。
そのために様々な分野の知識を学ぶことができる研修期間をしっかりと活かして、適切な判断ができるだけの知識と技術を身につけたいです。
そうして、ただ仕事中だけではなく、常日頃より患者さんに答えられる医師としての人生を実現したいと思っています。