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研修医レポート


総合診療部臨床研修医   桂 秀典


自己実現に近づけた2年間


進む診療科:耳鼻咽喉科

診療科を選んだ理由
昨今の超高齢社会で認知症が大きな問題となっており、認知症になる患者さんの約10%は難聴が原因と言われています。 難聴を治療して認知症となる方を減らせればと考えています。

関門医療センターの研修で印象に残っていること/良かったこと/苦しかったこと
最も印象に残っているのは、扁桃膿瘍で入院を経験したことです。いつも医師の立場で患者さんと接していますが、 自分が入院して抗生剤治療を受け(しかも志望科である耳鼻科疾患で)、患者さんの気持ちを体感できたと同時に、先生方や看護師さんのありがたみを肌で感じました。

目指す医師像
前述しましたが、自分が入院した際に回診や優しい言葉をかけられると本当に安心しました。 普段からの声掛けや、些細な気遣いがいかに患者さんの助けになるかを知ったので、技術面・対人面どちらにおいても患者さんを安心させられるような医師を目指します。



地域医療研修を終えて


研修 この度私は、萩市の地域医療プログラムで1ヶ月間研修をさせていただきました。 萩市民病院の循環器内科を拠点とし、総合病院から、僻地の診療所・クリニックで合計7ヶ所で地域医療を経験しました。 萩市民病院では、主に循環器内科で研修させていただきました。 山口県北部の虚血性心疾患を若手の医師3名で一手に担っており、その責任感と地域への貢献を肌で感じました。

山口県萩市は、人口約4万5千人、高齢化率45%と、山口県の中でも少子高齢化が進んでいる地域です。 面積は東京23区より広いのにも関わらず、人口は東京ドームの収容人数程度です。 山間部に住んでいる高齢者も多く、医療アクセスの悪さが大きな問題となっています。 そのため、萩市の中の区画ごとに診療所がいくつか存在しており、日常診療に加え、総合病院との橋渡しの役割を担っています。 下関のような総合病院の充実した地域とは違い、診療科が十分に揃っていないため、それぞれの医師は専門の科のみならず総合診療科としての側面を強く持っていました。 末端の医療では、自分の専門分野だけ診るということは通用しません。

研修 各区域の診療所で研修をさせていただきましたが、最も強く感じたのは、患者さんとの距離がとても近いということです。 特別養護老人ホームの訪問看護、幼稚園や保育園の健診、山奥に住んでいる高齢者の往診にも同行させていただきました。 そこでは患者さん一人一人と接する時間が長く、世間話をしたり冗談を言い合ったりしながら、家族の背景まで詳しく知っているため、医師と患者さんの信頼関係が築かれている様子を実感しました。

人生100年時代と言います。85歳や90歳まで元気に過ごしているのは決して珍しくありません。 年齢で治療法を決定する時代ではなくなっています。 その患者さんの希望やQ O L、生活状況、はたまた家族背景なども考慮し、医療従事者と患者・その家族とチームになって診療していくことが大切ということを、地域研修を通して強く感じました。 下関に帰って来ましたが、萩市での研修での経験を心に置きながらこれからの診療をおこなっていきたいと思います。



3ヶ月の経験とこれからの挑戦


研修医生活が始まり早くも3ヶ月が経過しました。 循環器内科、外科、総合診療・救急科をメインでローテートさせていただきました。

ER、総合診療外来での診察、治療にはまだ不安が多くありますが、だんだんと次に何をするべきなのか、 患者さんがどうすれば安心してくださるのかを自分なりに考えられるようになってきたと感じております。 まだまだ至らぬ点が多く、看護師さんをはじめご迷惑をおかけしてしまう場面も多々ですが、なんとかくらいついていこうと思っております。

この数ヶ月で最も感じたことは、決して医療をルーティンワークにしてはいけないということです。 患者さん一人ひとり訴えも病態も異なり、流れ作業で業務をこなしているだけでは成長できないと身をもって実感した数ヶ月でした。 このことを肝に銘じ、患者さん一人ひとりに寄り添った医療ができるよう精進して参りたいと考えております。



患者さんのために実現したい医師としての人生


ここ関門医療センターで研修医として働き始めてから1ヵ月が過ぎようとしています。

医師としての役割を十分に果たすには学生生活で得た医学的知識だけでは不十分で、患者さんとの接し方や検査の手順など覚えなくてはならないことが多く、 要領の悪い自分には日々の業務を何とかこなすことで精一杯ですが、一日でも早く下関の皆様のお力になれるよう日々努力を続けていきたいと思っております。

私は「患者さんのために実現したい医師としての人生」の目標として、日々自己研鑽を怠らないことと、 患者さんの気持ちに寄り添った医療を提供できる医師になることの2つを挙げます。 そのためには日々の診察・業務で足りなかったことをしっかりと持ち帰り、調べることを繰り返し、 反芻する事で自分の知識や出来る手技を一つ一つ増やしていくことが大切だと思います。 二度目はできるようになっていることが今の自分には必要なことだと考えております。

2つ目の患者さんの気持ちに寄り添うとは特に、足繁くベッドサイドに通い、患者さんの苦痛や要求を正確に理解して共感出来ることと考えますが、そのためにもやはり知識や経験は不可欠です。 その上で積極的に患者さんの元へ行って話に耳を傾け、少しでも不安を和らげることが出来るような医師になりたいと思います。

今は環境になれることで精一杯で、やれることも少ないですが、まずは目の前の患者さんから疾患だけでなくそこに至った背景・関わり方など、 余すこと無く勉強させていただくという姿勢で患者さんと関わっていきたいと思います。 これから充実した2年間になるよう初心を忘れず、 感謝の気持ちをもって日々精進して参ります。どうぞよろしくお願い致します。



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