研修医レポート
総合診療部臨床研修医 飯橋 直太
自己実現に近づけた2年間
3年目以降の進路:山口大学医学部付属病院 小児科
この2年間を振り返ると、想像を上回る水準で自分が未熟であったことを痛感した時間だった。
物の場所が分からず右往左往し、診療科が変わればまた知識の整理を行い、抗菌薬を使用する際も適切な選択と用量を調べるなど、
何をするにもままならない状態であった。
そんな中もがき続けた結果、2年前と比較すると格段に成長したと感じる。もちろん知識・技術的側面での成長もあるが、
いろんなことを経験できたという事実の方が、自信につながっている気がする。
特に印象深いのが、心因性の問題で入院を担当していた子供が無事に高校に合格したという報告を聞いた時である。
明確に自分が何かをしたというわけではないが、担当した患者さんが少しでも良い方向へ向かっていったというのはこの仕事にやりがいを感じる瞬間だったと感じる。
来年度からは小児科専攻医として新たな生活が始まるが、医師としてのやりがいを感じる瞬間を大切にしながら医学に向き合っていきたい。
地域医療研修を終えて
この度私は周防大島町立病院にて地域研修をさせていただきました。
周防大島町は人口約15000人、高齢者率約55%と下関市よりも遥かに進んだ高齢社会です。
ですので、生活習慣病や高齢者介護などの問題に深く触れることができた1ヵ月でした。
高齢者介護につきましては依然問題は山積ですが、ケアマネージャーなどによる実態の把握・施設の増設などが
徐々にではありますが進んでいる現状を実体験することができました。
この問題に関しては医師としても訪問診療の場において助言できることがあるのではないかと思います。
また生活習慣病に関しては平均寿命が延びている現状、避けては通れない問題です。
外来や健康教室を通して、健康なうちから予防に努めることの重要性を再認識し自身もそれに携わる必要があると思いました。
ただ中には患者さんへの対応として十分でない点もあったことは事実です。
今後の診療において目の前の病態を解決することはもちろんですが、患者さんのこれからを見据えた医療を提供できるように精進していきたいと思います。
研修2年目にかける思い
2022年4月 研修医として働いて早1年が経過しました。
昨年の4月に思い描いていた2年目の研修医像と比較しながらこの2年目にかける思いを述べようと思います。
まず、理想像の一つとして救急でのfirst touchがある程度の症例で自信をもってできていると思っていました。
1年間でかなりの当直に入ることになり、救急科を回る機会も多かったため自然と身につくものと思っていた節があります。
ただ実際は症例に触れるだけでは自信の力はそれほど身につかず、後々の振り返り・自主学習をして初めて症例を学んだといえるものだと実感しました。
この1年でもちろん自信をもって対応できる症例もありますが、そうではないものもまだたくさんあるためこの1年では実力が身に着くような学びをしていくことを心がけます。
もう一つは患者に寄り添う医師になるようにするといった目標を掲げていました。
1年目であるからこそ、医師の基礎である患者のことを誰よりも気にかけて接することが当たり前にできるようにしたいという思いがありました。
この1年間で自分の中ではかなりそういったことができたと思います。
ただ中には患者さんへの対応として十分でない点もあったことは事実です。
これに関しては概ねできていたら良いというものではなく、自分が接するすべての患者さんに対して可能な限りの思いやりを持った対応が必須であると思います。
2年目として過ごす1年間はこの点を改めて認識し、業務に励んでいきたいと思います。
半年の節目に
研修医として働き始めて半年が経過しました。
勿論、医師としてまだ未熟であることは言うまでもないのですが、
仕事内容に慣れてきたところも多く少し余裕が生まれてきているのも事実です。
余裕があることは診察や手技をするうえで非常に重要なことではあるのですが、同時にミスを生む原因でもあります。
自動車事故を起こしやすいタイミングは運転免許を取って数か月の段階と言われています。
運転に慣れることで注意が疎かになってしまうことが原因です。
研修医においても全く同じことが言えると思います。
医師免許を取得して半年が経った今、改めて気を引き締めて仕事に臨むことが肝心だと思います。
半年を迎えてもう一つ考えなければならないことがあります。
それはこの半年のような生活のまま医師人生を過ごした際に一体どんな未来になっているかを想像することです。
この半年の間、初めの3か月は仕事に慣れなければいけないというのもあって、空き時間や休日を積極的に勉学の時間にあてたりもしていました。
ですが、上述の通り慣れてしまうことでこれらの習慣がなくなりつつあるのが現状です。
医師は生涯学び続けなければいけない職業です。
これはどれだけ医師の仕事スタイルが変化しようと変わらないことだと思います。
勉学面でも改めて気を引き締めて励み続けていきたいと思います。
3か月の経験とこれからの挑戦
研修医1年目として働いて3か月が経過し基本的な業務には慣れてきたというところですが、ここまでで得た経験は大きく2つあります。
1つ目は自分で診察・手技・診断するという経験です。
救急症例ではまずは自分一人で診察をし病態を疑い検査に移るという流れを組み立てなければいけないため、実践的な診療を経験する機会が数多くありました。
自分でやってみることで盲点だった点やまだまだ未熟な手技などをきちんと把握することができ、
今の自分に足りていない部分を見直し改善するというサイクルを回すことができています。
この過程を積んでいき、どんな症例がきても一人でfirst touchできると思える位の実力をつけていきたいです。
もう1つは、多くの医療従事者に助けられていることです。
手術室では何もわからない私に対して手術室の基本的なルールを教えてくださったり、救急でもこちらの指示に対して看護師・放射線技師の方が動いてくださいますし、
向こうの方からこうしたほうがいいんじゃないかというアドバイスを受けることもあります。
私よりも経験が豊富な方からの助言は本当にありがたく毎日大変お世話になっています。
今後も助けをお借りしつつも自分も周りから頼られるような医師に早くなれるように精進していきたいです。
患者さんのために実現したい医師としての人生
4月から始まった医師としての生活、1人前とは程遠い私ではありますが日々なるべく多くのことを吸収し精進しております。
さて、これから医師としての人生を歩むに於いて自分の中での信条が3つあります。
まず1つ目は日々の勉強を怠らないことです。
現在は働き始めたばかりということもありモチベーションも高く、また無知ゆえに学ばなければいけないところも多く日々の勉強は必須ですが、
10年後・20年後先になるにつれてそのようなものはどうしても減っていきます。
医学の世界は日進月歩であり新しく学ぶことを怠れば忽ち置き去りにされます。
これは即ち患者さんへの不利益に直結します。
患者さんに正しい医療を提供するためにも、毎日新しい学びを得ることを心がけたいです。
2つ目に自分自身に驕らないことです。
1つ目と少しかぶるところはあるのですが、医師としてキャリアを積んでいけば、自然と自分に自信がついてくると思われます。
しかし、慢心しすぎてしまうあまり、周りの意見を聞かなくなるような状況は絶対に避けなければなりません。
どの科に進むにあたっても周りの医療同業者との連携なくして患者さんへの最適な医療は届けられません。
そのためには、謙虚な姿勢を忘れずに医師として働くことが必要だと思います。
最後に患者さんへ寄り添うことを忘れないことです。
言葉にするのは簡単ですが、実践するのはかなり難しいことです。
患者さんの状況は多種多様であり、患者さんそれぞれの背景を理解することはほぼ不可能です。
なので、実際に寄り添えるかというよりも寄り添おうとする気持ちをもって診療にあたることが非常に重要だと思います。
この初心を忘れずにこれからの医療業務にあたりたいと思います。