研修医レポート
総合診療部臨床研修医 桑原 啓太
自己実現に近づけた2年間
進む診療科:皮膚科
進路を選んだ理由
医学生の頃から地元である長門市の地域医療に貢献したいと思っていました。
その中でも長門市内の病院には皮膚科医の常勤の先生もおらず、開業医もいない状況で、市外の病院やクリニックに通院している患者さんが多くいます。
その実情や地域医療に貢献したいという考えが合致し皮膚科を志望しました。
関門医療センターで研修して印象に残っていること
病院各所から見える時間帯や季節によって異なるオーシャンビュー
目指す医師像
患者さんだけではなくご家族、また多種にわたる医療従事者から信頼される医師になれるよう精進して参ります。
地域医療研修を終えて
この度私は、私の地元長門市にある長門総合病院で一か月間地域医療研修をさせて頂きました。
現在長門市は人口約3万2千人、高齢化率は約44%、令和3年の出生数は106人であり、
一市三町が合併され新たに長門市が発足した平成17年には約4万1千人、高齢化は約31%であったことと比べても顕著に少子高齢化が顕著に進んでいる町です。
医療を必要としている高齢者も多く、長門総合病院は長門地域の重要な基幹病院となっています。
この1か月で一般外来の見学・研修のみならず、特別養護老人ホームや在宅往診、訪問看護・リハビリ、地域医療連携室や居宅介護事業所等で研修させて頂きました。
この研修中で特に印象的だったのは患者さんと医師や看護師さんなどコメディカルの方の信頼関係が強いということです。
外来の際や退院前カンファレンス等での患者さんやご家族と医療従事者との距離が近く、不安に思っていることや疑問に感じていることを解決し、
今後の方針を患者さん中心に一緒に決めていることが信頼関係の構築に繋がっていると感じました。
また市役所で行われる介護保険認定審査会や地域ケア個別会議にも参加させて頂き、在宅でも十分な医療資源を利用できるように様々な職種の方が一帯となって熟考、議論しているからこそ高齢者に限らず、
様々な患者さんに医療が提供できているのだと実感しました。
最後にコロナウイルス第七波の渦中に関わらず、一か月間研修させて頂き大変感謝しています。
将来長門市で地域医療に携わりたいと思っている私にとって大変貴重な1か月となりました。本当に有難うございました。
患者さんのために実現したい医師としての人生
関門医療センターで医師としてスタートを切って一か月が経ったいま、
医師になる前に掲げた医師像と働き始めて考えるようになった医師像を、比較できるこのような機会を頂き大変有難く思います。
医学生の時は「患者さんから信頼される医師になりたい」という漠然とした医師像を掲げていました。
総合診療科と救急科を回らせて頂いたこの一か月は業務を覚えることや診察の流れを覚えることで精一杯でしたが、
その中でも患者さんを診療する機会をたくさん頂きました。
診療するにあたって、どうすれば患者さんから信頼される医師になれるのか、考えるようにもなりました。
ただ、信頼して頂けるだけでいいのか、と思うようにもなりました。
信頼してもらえることは非常に有難いことですが、私のみの考えだけで医療を行っても、患者さんが満足して頂けるとは限りません。
患者さんと患者さんの家族の方々等とお話しし、私がベストと考える医療を提示し、かつ患者さんが受けたい医療を重ね合わせて、
その重ね合わせたベストの目標に一緒に向かって医療を行うことが大事だと思いました。
そこに良好な信頼関係は必要不可欠だと思いますし、良好な信頼関係を築くためにはコミュニケーションを沢山取り、
自分自身の知識も常にアップデートすることが重要だと思います。
患者さんとしても理想に近い満足のいく治療を受けることができることが分かれば、治療意欲も高まり相乗効果が生まれると思います。
ひとことで「患者さんから信頼される医師」とは言っても、そこには前途したように様々な要素が絡まっていることに改めて気づくことができました。
医師として働く限り自己研鑽を重ね、患者さんと同じ目標に向かっていけるようにコミュニケーションを取り、
お互いにとってベストの医療が行われるように、患者さんから信頼される医師でいられる人生を実現したいと思います。